リハビリテーション解体真書(もどき)

リハビリテーションを身体・環境・社会適応障害への治療として捉え、適応のメカニズムの基礎から勉強しなおしてみようという試みをつづったブログです。基礎知識中心に記事を書いていきます。出直しです。

脳の時計は右半球にある! 時間知覚判断の注意と意思決定システムを解明

どーもみなさまお疲れ様です。
ついに我が家にもソムソ社製の足部模型が届き、うきうきしております。

リンゴ箱ぐらいの大きさの箱に、足部の模型が入った小さな箱が衝撃緩衝材つきで入っているという厳重ぶりにびっくりいたしましたが、
ま、何分高いですもんね……そう、お高いですもんね……プレモル何本分なんだろ……(※ため息。。。。。

しばらくはプレモルを飲みながら、触り倒して生きていきたいと思います。
しかしいいですね、新しい模型が家にあるというのは。。。。。テンションだだっとあがります。


そんなこんなで、最新知見のプレスリリースのご紹介です。
本日は九州大学の飛松省三教授らの研究グループの成果について。

『脳の時計は右半球にある! 時間知覚判断の注意と意思決定システムを解明』
http://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/167

脳は一見左右対称に見えますが、その機能に関しては、
言語や空間認知など、左脳と右脳が担う機能にはそれぞれ違いがある、ということは周知の通りです。

今回の研究では、「時間縮小錯覚」を用いて、時間知覚・判断に対応する脳内システムの局在が明らかにされました。

では、中身に入って参りましょう。

1秒未満の短い時間の知覚や判断は、音声言語や調和のとれた身体運動などに重要なのですが、
実際に知覚・判断している時間には物理的な時間とは異なる様々な錯覚があるそうで、
その脳内メカニズムはわからない部分が多く残されているそうです。

今回の研究では、「時間縮小錯覚」を利用した脳磁図の計測により、
実際に知覚・判断する時間に対応した脳活動をとらえたそうなのですが、
ワタクシ、今回初めて聞きました、「時間縮小錯覚」。。。。。

この錯覚がどんな錯覚かと言いますと、
ごく短い音で区切られた時間間隔:標準時間Sが単独で呈示されるときよりも、
Sよりも短い時間間隔Pを隣接させて呈示させたときの方が、Sが短く感じられてしまう、そういう錯覚だそうです。

ピッ、(標準時間S)、ピッ、と音を2回鳴らす間の間隔が、
先行時間Pを設けて、ピッ、(先行時間P)、ピッ、(標準時間S)、ピッ、と鳴らした時に、
PがSよりも短いとSも短く感じてしまう、という錯覚ですね。

この錯覚現象は研究グループの中島祥好教授らが発見した錯覚現象だそうです。

で、話を戻しまして、脳磁図での計測の結果、
時間感覚への注意と時間感覚の符号化は右半球の側頭頭頂接合部(TPJ)に、
時間判断は右半球の下前頭皮質(IFG)に司られることが判明したとのこと。

TPJと言えば、心の理論や自他の区別とのかかわりが深い場所ですが、
そこで時間感覚の符号化も担われているとは。。。。。

面白いですね~~~、と脳の話をしたところで、私はまた模型を触り倒す時間に戻ります。


 

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結合組織に対する治療の考え方その4

どーもみなさまご無沙汰しております。
なかなか記事を更新する時間が取れず、にもかかわらずカウンターの数字が回り続けているのを見るにつけ、
わざわざこの場所に足を運んで(マウスをクリックして?)きてくださる方々には大変申し訳ない限りです。

先月は一回しか更新できませんでしたし(涙。。。。。

何故だ? 時間が足りないのか? プレモルが足りないのか? そうだ! 京都に行こう!(※錯乱。

あ、ちなみに京都といえば、ワタクシ、今月末の九州で行われる(←京都関係ないねぇ)、
日本支援工学理学療法学会に参加することになりまして(発表するのは私ではないですが、
初九州にウキウキしております。おいしいプレモル、あるかな……(※全国共通。


さて、そんなこんなで間があいてしまいましたが、再開して参りましょう。

数回前より結合組織へのアプローチに関して、結合組織の構造に基づいて考察しております。
前回記事から時間が経過しておりますので、さくっと復習しておきましょう。

アプローチの方法として、
まずは組織の流体性を妨げないよう、組織への押圧は最低限にしてそっと触れるということが基本となります。

その上で、結合組織の柔軟性を取り戻すために、

①熱伝導を利用する
②振動などの運動エネルギーを与えることにより、組織での熱産生を促進する

という2つの方法をご紹介いたしました。

本日は最後になります、筋膜のチキソトロピーという性質を利用する、ということについてお話していきます。

とはいっても、今回の内容は以前にチキソトロピーについて解説したことの繰り返しになる上に、
結局、手段としては振動など、穏やかな力を組織に加える、ということになります。

しかしながら、結合組織の構造や機能を具体的にイメージした上で、
もう一度チキソトロピーを示す筋膜へのアプローチを考えることが重要だと感じておりますし、
何より自らが行っているアプローチが、組織のどのような構造に基づき、どんな理由で効果をあげることができるのか、
そのことをきちんと頭に浮かべながらアプローチを行うことが、アプローチの精度を高めることにもつながります。

ですので、今回は繰り返しになる部分が多々ありますが、おつきあいいただければれば。。。。。


そもそもですね、何で衝撃緩衝のカテゴリについて話していたはずが、
結合組織の構造やら性質に脱線したのか、その理由を覚えておいででしょうか?

ワタクシ、すっかり忘れていたんですが、そもそも粘性やら弾性やらの性質を話していて、
チキソトロピーを紹介し、滑液や筋膜がチキソトロピーを示すらしいよ、というところから、
結合組織に対するアプローチを考える上で大事なこと、いっぱいあるなと、
結合組織に関する基礎をまとめておこうかなと、そんな感じで脱線して今に至っていたらしく。。。。。

いやあ、懐かしいですねえ(←懐かしんでないで更新しろ。。。。。

チキソトロピーについて復習しますと、チキソトロピーは流体の性質の1つであり、
流体が力を受け続けると粘度が次第に低下して液体状になるけれど、
力が取り除かれると再び粘度が上昇して固体状になる性質のことでした。

つまり、混ぜたり振動を加えたり、何らかの力を加え続けることでさらりとした液体になるのだけれど、
力を加えなければ、またねばねばした状態や固体状になってしまう不思議流体(※某海賊風表現)でした。

筋膜の液性成分、つまり基質がこのような性質を示すというのは、
私自身の身体感覚や臨床感とよく合います。

例えば寝起きや座位での作業など、同じ姿勢を取り続けた後に腰痛を生じたり、
長時間本を読んでいて肘を曲げ続けるなど、関節をしばらく動かさないでいると、痛くなったりこわばったりします。

しかし、ちょっと動いたり、肘を曲げ伸ばししているうちに、疼痛が消失する経験はないでしょうか。

これは短期間の変化ではありますが、動かさないでいたために結合組織の粘度が上がり、
組織同士の滑走が悪くなったり、血流が滞るなどして動かし始めに痛みや違和感を生じていたものが、
運動するという力が結合組織に加わることで粘度が下がって組織の滑走が改善したり、
運動による熱産生により基質の粘度が下がるなどして、痛みや違和感が改善された、と考察することもできます。

動かすこと、あたためることで基質は液状になって運動がたやすくなり、
不動や運動不足、冷えにより粘度が増加して運動を妨げるということです。

筋膜がチキソトロピー性を持つ、ということは、もう1つ、我々のアプローチに重要な示唆を与えてくれます。

チキソトロピーとは、力を「加え続けると」流体の粘度が下がる性質です。
したがって、ターゲットとした組織の流体性を改善させても、その部分をしっかり使って動かなければ、
つまり、アプローチ前の動作パターンや生活習慣が改善されなければ、結局はまた元に戻ってしまう可能性があります。

柔軟性を取り戻した身体でどのような動作をしていくのか、動作誘導もまた大事である、ということです。

(私は回復期に勤めており、ヒトとして根源的な運動である基本動作の獲得を主な目的としておりますので、
 動作「誘導」はしても、動作「指導」はほとんどしませんが、スポーツなどの分野ではまた違ってくるかもしれません。
 このあたりは学習の神経学的理解に基づいてアプローチを考えているのですが、機会があればご紹介したいと思います。)

もう1点、チキソトロピーとは直接は関係ありませんが、結合組織の柔軟性の低下についての重要な知見として、
不動による結合組織の変化の1つに、ヒアルロン酸の含有量の増加があることが報告されています。

ヒアルロン酸と言えば、美容の分野や膝関節への関節注射などで使用され、
皮膚においては栄養の運搬や柔軟性の維持、関節液においては潤滑性に重要な役割を果たすわけですが、
その正体は、ムコ多糖類であるグリコサミノグリカンの一種、つまり糖なんですね。

従って、ヒアルロン酸の含有量が増すということは、糖分の含有量が増すということですから、
ヒアルロン酸が過度に増加すると基質の粘性が高まってしまい、これまた線維の動きを阻害してしまいます。

この点からも、いかに基質の流動性を改善させるか、というのは、
結合組織にアプローチする上で欠かせない視点の一つと言えます。


脱線してしまいましたが、組織をほとんど伸長させない範囲でのゆるやかな振動を与えることは、
組織での熱産生を促して基質の粘度を低下させる効果があると共に、
チキソトロピーという基質の性質から考えてもまた、基質の流体性を改善させるために効果があると考えられます。

組織の液体成分を押し出さないように、押圧は最低限に触る。
手のひらからの熱伝導を起こす、おだやかーな振動を加えて基質の粘度を低下させ、柔軟性を改善させる。

基質の流体性が改善するということは、栄養や老廃物などの物質輸送や神経伝導を回復させることにもつながります。

もはや衝撃緩衝どこにいったんだ、ということで、ひとまず結合組織のお話は終わりになります。

次回からはプレスリリースの紹介に移りたいと思います。


【参考文献】
・舟波真一・山岸茂則(編):運動の成り立ちとは何か 理学療法・作業療法のためのBiNI Approach, 文光堂, 2014
・Celia Bucci(著), 大谷素明(監訳):エビデンスに基づく疾患別クリニカルマッサージ―評価と治療, 丸善出版, 2014


 

結合組織に対する治療の考え方その3

どーもみなさまお疲れ様です。
7月中旬あたりの暑さからうって変わって涼しい日が続いておりますが、プレモル、飲んでおりますでしょうか。

涼しい日に飲むプレモルもまた、格別でございますね。

普段、ワタクシ、おつまみは全く食べないのですが、でもプレモルに合うおつまみは何だろうと、ふと考えまして。

右手に、プレモル。。。。。

この光景を見て、さて、左手へと視線を送ったときに、
何がその手に握られていれば、私はより幸福になれるのでしょう?

右手に、プレモル。。。。。


ならば、左手には……………?


そう、プレモル! プレモルしかないではないか!! ヤハハハハ!!!


右手と左手で乾杯~~~~~クゥーッ!!”(*>∀<)o(酒)”



………………………………………………………………………………



本日も引き続き、結合組織に対するアプローチをいかにすべきか、考えて参りましょうそうしましょう。


前回は筋膜の柔軟性を取り戻すにあたって、どのようなアプローチをしたらよいのかということで、
流体の温度依存性という性質に基づいて考え、あたためればいいのだ、というお話をしました。

しかしあたためるとは言っても、細胞には代謝をはじめとした様々な化学反応が起こるために最適な温度があり、
生体の防御反応を引き起こしてしまうような、そのような従来の温熱療法は効果的ではない可能性があります。

そのため、体温程度の温度にあたためる必要があるのではないかと考えられることも合わせてお話しました。

経験的に、かたい組織というのは、同時に冷えて感じることが多いです。

じゃあ、どうやってあたためるかといえば、まずまっさきに思いつくのが熱伝導。
手のひらのあたたかみをそのまま伝えていくような触り方をする、ということです。

しかしながら、熱伝導だけではどうにも効率が悪い上、
手がもともと冷たいセラピストはどうすればいいんだ、という話になってきます。

そこで、じゃあどうしたらいいのかと申しますと、
組織に何らかのエネルギーを与えて熱産生を促す方法があります。

ここでいうエネルギーというのは、ホイミとかケアルとか、かめはめ波とか、
そういうワタクシの特技ではなく(※虚言)、物理学で語られるエネルギーのことです。

運動エネルギー、電気エネルギー、化学エネルギー、熱エネルギーなどなど、
エネルギーには色々な種類があります。

このうち、我々が意識的に扱えるエネルギーは運動エネルギーになりますから、
運動エネルギーを熱エネルギーに変換する方法を考えればいいわけです。

例えば、寒くて手がかじかんでどうにもならないときに、手をこすりあわせるという運動を起こしますよね。
そうすると、皮膚と皮膚の間に摩擦が生じ、結果、少しあったかくなります。つまり、熱が発生します。

そもそも、温度というのはものすごくざっくり言って分子の運動エネルギーの状態を表わすもの、ですから、
(Wikipediaさんによると「平衡状態における分子の力学的エネルギーを、
 エントロピーという統計値で微分したもの」だそうです。。。。。わかりにくい。。。。。)
運動によるエネルギーを与えることで、さらに温度が上がるというのはイメージしやすいのではないでしょうか。たぶん。

しかし、強い力でごっしごっしこすってしまうのはそもそも侵害刺激になりますし、
前に述べました通り、アプローチを行う前提として、組織の液体部分を押し出さない力でのタッチが必要です。

水が流れているホースを強く握ったり押したりすれば水流が滞るのと同様に、
組織を強く圧迫させてしまえば液体の流れは妨げられます。

従って、私の場合、非常に軽く穏やかな振動刺激にとどめます。
振動という運動のエネルギーを利用して、熱の産生を促すわけです。

どのくらい軽い力かと言いますと、「こんな程度でいいんですか?」と確認されるぐらいにはよわーい力です。
患者さんにも、ただ触っているだけのように感じるのに、楽になるのは不思議だとよく言われます。

ちなみに、物理療法では、超音波療法であれば組織での熱産生が起こるために、
組織の柔軟性を取り戻すにあたって効果的だと思われます。

しかし、残念ながら当施設にはありませんので、私の場合は徒手によるアプローチがメインになります。

結合組織の硬度の高い部分を評価して探索し、組織を可能な限り圧迫しないように、その部分にゆるやかに振動を加える。

個人的には、マッサージの軽擦法のように皮膚の上を滑らせるのではなく、
手のひらをぴたっと対象の組織にフィットさせ、その部分にだけ弱い振動を伝えるようにしておりますが、
実技に関しては実際に見てもらわないどうにも伝わらないところですね……無念。

詳細はBiNI Approachの実技セミナーに出席するか、
もし何かの偶然で私に会った時にプレモルを片手に聞いてみてください(※無茶ぶり。

そして、この振動を加えるというのは、
流体のチキソトロピーという性質を考慮しますと、さらに効果的であることがわかります。


(続く)


【参考文献】
・舟波真一:理学療法・作業療法のための実践編BiNI Approach, 文光堂, 2015


 

結合組織に対する治療の考え方その2

どーもみなさまお疲れ様です。ゴルゴ13です。大ウソです。

前回は結合組織へのアプローチ方法を考えようということで、
まずは「どのように押圧を加えればいいのか」について考察いたしました。

流しそうめんのようにさらっと復習致しましょう。
(とか打ってたら、流しそうめんを鋭い眼光で狙うゴルゴの図、が頭に浮かんで、微妙な気持ちになりました。。。。。

結合組織の中でも筋膜について、その柔軟性が低下しているとはどのような状態なのか、といいますと、
それは、筋膜を構成する線維が高密度化して、その部分が脱水され、
基質の流動性が低下してしまっている状態、ということでしたね。

したがって、筋膜の柔軟性を取り戻すためには、液体成分が存在するスペースがある、ということがまず重要で、
強い押圧をかけたり、強く引っ張ってしまうと、水分は物理的に押し出されてしまいますから、
アプローチとしては適切ではない可能性があります。

そのため、組織へのタッチの基本としては、水を押し出す圧力をこめないように、
そっと触る、というのが基本であると考えております。

では、触り方を押さえたところで、いかに筋膜へアプローチしていくべきか、というところを考察していきましょう。


①組織への熱伝導を利用する、の巻。。。。。


流体の粘度は温度依存性を持つ、つまり温度に応じて変化することがわかっておりまして、
一般的に液体は温度が高くなると粘度が低下することがわかっています。

つまり、温度が高くなると、よりさらさらの液体になるということです。

結合組織は感熱性である、あっためれば柔軟性が向上する、という知見がありますが、
それはこういった流体の性質を考えますと納得できるところです。

ですので、基質の水分を押し出さず、しっかりとスペースを保ったままで、
いかに効率的に熱を伝えるか、産生するか、ということを考える必要があります。

ここで気をつけなければいけないのが、じゃあ、あっためればあっためるほどいいのかといいますと、
そういうわけでもない、ということですね。

生体には、代謝が営まれるために最適な温度というのがあります。
ある温度より低くても高くても細胞はその機能を停止してしまいます。
細胞で行われている代謝は化学反応ですから、その反応がきちんと進むために最適な温度を考えなくてはなりません。

ヒトの場合は、組織の代謝が滞りなく行われる温度として37度程度の体温があるわけですから、
その温度よりあまり高すぎても、組織にとってはあんまりよろしくない、と考えられます。

ホットパックやマイクロウェーブなどの物理療法を考えてみますと、施行した組織は発汗します。
つまり、せっかくあっためているのに、組織の反応としては「あっつすぎるから温度さげなきゃ」と汗をかくわけですね。

ですから、あまりにも生体の温度とかけ離れたものを手段として使用するのも効果的ではない可能性があり、
この2つの物理療法の効果が一時的なものにとどまることがほとんどなのは、臨床でも感じられることだと思います。

じゃあ、人体の温度に一番近いものはというと……そう、ばばん! あったかい手!!

と書くとなんだかうさんくさい感じになってしまうのですが、
実際我々の手というのは、少なくとも従来の温熱療法に使用してきた機器よりもずっと効果的です。

熱ばかりでなく、人体ではさかんに信号としての電気のやりとりが行われているため、
我々の身体は微弱電流も持っておりますので、その影響も少なからずあると思います。

(もっとも、これにはエビデンスはなく、単なる臨床感です。
 生体から発生している電場・磁場が他の生体組織に対してどのような影響を与えるかは、
 今後の研究を待たねばならないでしょう。そういう研究が今のところ行われているかもわかりませんが……)

ですので、手で触れることにより熱伝導が生じ、組織がつながりを持っている限り、
表層の組織の変化は隣接する組織へと波及していきますから、表皮から浅筋膜へ、浅筋膜から深筋膜へと、
熱が伝わることにより組織温があがり、結果、基質の粘度が低下して流動性を取り戻すことができる、と考えられます。

とは言いましても、熱伝導を待つだけなのも時間がかかりますし、
手が冷たかったらどうするんだ、という話にもなりますので、もっと効率的な方法を考えなくてはなりません。


というところで力尽きたので、次回に続きます。。。。。


【参考文献】
・舟波真一:理学療法・作業療法のための実践編BiNI Approach, 文光堂, 2015
・竹井仁:筋膜の役割と研究動向, 医道の日本vol.74 No.4, 医道の日本社, 2015, p.18-23


 

結合組織に対する治療の考え方その1

どーもみなさまお疲れ様です。
ワタクシにとってつらい季節がやって参りました。

そう、太陽がさんさんと照り付ける夏、でございます。。。。。

もうワタクシ、30度越えが一日でもあれば夏バテできる、という特技を持っていまして、今年はもうへばってます。
もう気力が低下しすぎてHPもMPも黄色い数字になる危険水準に入っております。

これがまだ1ヵ月以上続くかと思うと、憂鬱すぎてさらにへばります。

夏はビールの季節じゃないか、夏のビールはおいしいじゃないか、とおっしゃる方もございますが、
何を言いますかビールは年中おいしいんでございます。特にプレミアムなモルツは年中絶賛受付中です。。。。。


あーーーーーーーーーーーーーーーー、あっつい。もうムリ。ビール飲も。


で、何でしたっけ? 夏に飲むプレミアムモルツのおいしさについて1000字以内で述べよ、でしたっけ?

それとも、あなたが落としたのは金のプレモル? 青のプレモル? 
って池から両手にプレモルを持った女神さまが出てきて、
「両方!」って答えたら金麦投げつけられたって話でしたっけ???(金麦もおいしいですけどね!



……………………………………………………



※暑さにやられて精神がやや荒廃している模様です。お見苦しい点がありますがご了承ください。。。。。


はい、結合組織へのアプローチですね、はいはい、わかってますーっと。

というわけで、今回は結合組織の組成に基づいて、
結合組織の柔軟性を取り戻すためにどのようにアプローチを組み立てていけばいいのかを考えていきたいと思います。


①押圧の強さについて

さて、組織の柔軟性を高める、というと、
ストレッチやマッサージという手段を取ることが一般的なのかな、という印象があります。

まず、硬い組織にどのように触れるのか、というところから入っていきたいと思いますので、
最初は組織に対してどのように押圧を加えるべきか、というところを考察して参りましょう。

結論から申しますと、触れる程度~軽い押圧、ぐらいがちょうどいいのかと個人的には考えております。

何故かと申しますと、ここで結合組織の柔軟性が低下するのはどういうことだったかを思い出してみましょう。

結合組織がかたくなっている状態、硬度が高い状態、というのは、
結合組織を構成している線維が高密度化することにより、
通常であれば流動性のあるゾルの性質を持つ基質が脱水されてゲル化し、流動性を失っている状態でした。

と、いうことはです。

強い押圧を加えてしまうと、水を含んだスポンジを押すと水がじわっと外に出てしまうように、
押した部分の基質の水分というのは、物理的に更に外側に押し出されてしまいますから、
さらに脱水を進めてしまう、ということになります。

ついでに申し上げますと、そこにさらに一般的なストレッチ、という形で強い伸長力をかけてしまいますと、
みかんを包んでいる赤いネットを引っ張ってみるところを想像してみると分かりやすいかと思うのですが、
強く伸ばすとネットを構成する赤いヒモ的なものとヒモ的なもの(何でできてるんでしょうね、あれ)の隙間が小さくなるように、
やはりその部分の組織の水が外側に押し出されてしまうことになります。

したがって、結合組織の構成と、硬度が上昇するメカニズムから考えますと、
結合組織の柔軟性を取り戻すためには、基質に水が戻る隙間を確保しつつ、流動性を取り戻さなくてはなりませんから、
あんまり強く押したり引っ張ったりするのは、効果的ではない可能性があります。

最近では、結合組織にだけ焦点を絞った研究ではありませんが、
スタテッィクなストレッチの効果に対しては疑問を呈する文献も出始めていますね。

私自身、たとえば脳卒中片麻痺の方の尖足に対してなど、
一生懸命学校で習ったように背屈方向に関節可動域運動をしても、
直後に少しは改善するんだけれどなかなか持続効果がないとか、維持することがやっとであるとか、
そういうことに関してどうしてなんだろう、と悩んできましたが、
組織の構成や病態を学んだときに、ああ、そういうことだったのか、と納得しました。

ただ、エンドフィールに達しない範囲、組織の抵抗を生じさせない範囲で、
関節運動を行うことは病態に反しないのかな、と考えてもいます。

特に、硬度の高い部位を、ごくごくわずかな力で伸張することで、高密度化している線維の間に隙間を作り、
そこに存在する基質に対して流動性を取り戻すようなアプローチを仕掛けていくことができます。

ぐしゃっと絡まっている糸をほぐすときは、強く引っ張れば余計に絡まってしまうので、
最初にふわっと隙間を作りますよね。組織の状態としては、そんなイメージでございます。
実際にかける力は、もっともっと弱い力ですが。

線維の高密度化により脱水しているわけですので、
それ以上水分を押し出さない程度の弱い力をかけてアプローチする、
線維の間に隙間を作るように軽微な力で伸張する、というのが、私自身が普段取り組んでいる方法です。

この結合組織に対する具体的なアプローチ法としては、私自身はBiNI Approachを使っておりますので
ご興味のある方はそちらの方から学んでいただければと思います。

では、次回はこの結合組織への触り方を踏まえて、
結合組織を変化させるためにどのような力を加えることが適切なのか、という考察を進めていきたいと思います。


【参考文献】
・舟波真一:理学療法・作業療法のための実践編BiNI Approach, 文光堂, 2015
・竹井仁:筋膜の役割と研究動向, 医道の日本Vol.74 No.4, 2015, p.18-23


 

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